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2009年8月

 

KAPsの活動


Q: KAPsとはどのような活動なのでしょうか。どのような方が参加されているのでしょうか。

A: KAPsはKansai Association of Psychotherapists の略で、2008年春に誕生しました。もともとは関西地域のCSPP修了生が協力して臨床実践を行う施設を目指していましたが、紆余曲折を経て、現在は会員相互の親睦と研修が主な活動となっています。平均して3~4ヶ月に1回程度、KAPs会員自身が講師を勤める勉強会を開いたり、CSPPの先生方をお招きしてWSを開いたりしています。

KAPsの会員は、アライアント国際大学CSPP臨床心理大学院の修了生および在学生が参加しています。現在の会員数は14名で、内訳は1期生2名、2期生2名、3期生7名、4期生2名、5期生1名となっています。KAPs会員の居住地は、大阪、京都、神戸、奈良、岡山、和歌山と広範囲にわたり、それぞれの郷里で、何らかの形で臨床心理実践に関わっている人が多いですが、学生であったり、企業に勤めていたりと、現時点ではサイコセラピーやカウンセリングを本職にしていない人も参加しています。

Q: KAPsをはじめようと思ったきっかけはなんでしたか?

A: 修了生の実践の場がほしいという気持ちが、KAPsの立ち上げのきっかけでした。2008年2月に、カリフォルニア州シーランチで西尾先生のWS食事会のとき、先生に修了生の希望を聞いていただく機会がありました。その際、関西地域のCSPP修了生が就職の面で困っていること、臨床心理士の資格を取るために必要な2年間の臨床実践という条件をクリアするのが難しい現状があることをお話し、ぜひ関西地域で、CSPP修了生の臨床実践のための施設を作って欲しいとお願いをしました。

同時に、学校にお願いをするだけでなく、自分たちでできることを始めようという気持ちもありました。幸い、関西地方には「CSPP関西」というメーリングリストの仲間たちと、仲間が集まる場所が、すでに整っていたのです。

Q: KAPsをはじめようと思ってから,これまで,どのように進んで来られたのでしょうか。

A: 一番最初は、関西地域に在住するCSPPの学生間の親睦を図ろうということで、一期生の方々が中心となって呼びかけ、「CSPP関西」というメーリングリストが出来上がりました。それまでにもMLのメンバーは年に1~2回、関西地方(大阪や京都で)食事会を開いたりしてお互いの親睦と情報交換を図っていました。また、KAPsの活動拠点として、3期生の方が新大阪駅近くで持っていらっしゃるセラピールームを「CSPP関西」の仲間の集まりのために提供してくださいました。

KAPsは、このCSPP関西の集まりが母体となって生まれたのですが、最初のころは食事会や茶話会で顔合わせや情報交換が活動の中心でした。その後、数年経つうちに在学生と修了生を合わせると京都、奈良、和歌山、大阪、兵庫、岡山と、かなり多くの参加者が集まるようになり、CSPP内部での親睦や研修だけでなく、地域のセラピストとの連携や社会貢献に活かしていきたいという声が高まりました。

そこで、CSPPの先生方のアドバイスを受けながら、臨床心理の実践活動を心がける人たちが「CSPP関西」から独立する形で、関西心理セラピスト協会(The Kansai Association of Psychotherapists : KAPs) が誕生したのです。当初は、カウンセリングルームの経営や、CSPPの実習機関にもなれるような施設にしたいという大きな夢がありました。

しかし、実際のところはKAPs会員間の臨床経験にばらつきがあり、臨床経験がまだ不十分だと感じている会員もいて、自分たちの研修が必要だということになりました。また、KAPsを組織としてどのように運営するかということが、大きな問題として浮上しました。

そこで、2008年4月から7月までは毎月集まり、KAPsの運営について話し合いを行いました。毎回熱いディスカッションが繰り返されました。最終的に、ホームページを開設し、会員がすでに持っているセラピールームをリンクして 、将来的にはKAPs独自のセラピールームをオープンできるようにしようというのが目標になり、それまでの間に、自分たちで勉強会を開いて実力をつけようということが決まりました。

2008年4月以来の具体的な活動内容は、会員相互の勉強会としては、3~4ヶ月に1度の割合で、「NPOについての勉強会」「WISC-Ⅲ・WAIS-Ⅲの実施練習」「セラプレイ伝達講習」「フラワーレメディWS」「精神科領域で使用される薬についての講義」「西尾式リプロセス・リトリートの練習」などを行いました。

KAPsの活動については、会の誕生以前から、CSPPの先生方から暖かい応援をいただいており、精神的な支えだけでなく、具体的なアドバイスもたくさんいただいております。研修会も何度もお願いしています。CSPPの先生方をお招きした研修としては、西澤先生の「KAPs運営上の注意」「子どものセラピーについてのWS」、向後先生の「BPD関するWS」「解離性障害について」、青木先生の「ロールシャッハ片口法」があります。昨年12月以降は 、KAPs主催のWSに、CSPP以外の方も参加してくださるようになり、少しずつ活動が定着してきているように感じています。

Q: どのような苦労がありましたか?

A: 苦労はいろいろありました。当然といえば当然なのですが、単に懇親会であったレベルからKAPsという組織化にいたる段階にはやはり少し大きな段差があって、行き違ったり立ち止まったり立ち戻ったり、紆余曲折がありました。しかし、これは間違いなく、メンバー全員の中にKAPsを必要とする気持ちがあり、共有できる目標が見つかったことによってその状況を乗り越えられたのだと思います。

苦労を具体的にあげると、皆さん忙しく集まれる人が少ないこと、そのため会についての話し合いが十分できないこと、それぞれがKAPsに期待する内容が異なること、KAPsに割ける時間やエネルギーにも差があること、MLを使用しても情報がなかなか伝わりにくいこと、WSの参加人数の予測が難しく経費計算が難しいことなどたくさんありますが 、会のメンバーで力を合わせて前に進んでいこうと思っています。

Q: 今後はどのようなことを目指していらっしゃるのでしょうか?

大きな夢はまだ健在のようで,KAPsのメンバーがいろいろな希望を挙げてくださっていますので、そのまま掲載します。

◆CSPP西日本支部として、ワークショップや勉強会の開催、将来的にはカウンセリングルームをひらくことができればいいと思います。そして将来的に、CSPPの実習先になるような施設を運営できるようになれればと思っています。

◆私の希望は、勉強会、事例検討会、ワークショップ、情報交換やおしゃべりの場、カウンセリングを行う所・・・です。

◆勉強会や研修会を定期的に開催し、できれば年間計画を立てて、早期にお知らせできるようにして、CSPPの関係者以外の方にも参加していただけるようにしたいです。そのために、目下ホームページの作成に取り掛かかろうとしています。

◆前述のような問題があって現実は厳しいのですが、「継続は力なり!」という教えに従いながら活動を維持したいと思っています。活動内容は、やはり学習会、交流会ならびに可能な限りの相互支援でしょうか・・・。

◆CSPPの卒業生や在校生が中心となって、ワークショップや勉強会をしたり、情報交換や親睦の場であってほしいと私は考えています。私自身は岡山在住なので参加には少し遠いのですが、岡山にはCSPPの方はおられず(と思いますが・・・)、皆さんとお会いできるのはとても楽しみです。

◆CSPP以外の心理専門家とも交流や連携ができるようになればと思います。

Q: KAPsの皆さんにとって,CSPPとはどのようなところですか?

この質問にも、KAPsメンバーの言葉でそのままお答えします。

◆非常に大きな出合いの場でした。講師の先生方、クラスメイトや先輩、後輩、そして、それまで気がつかなかった自分自身との出合いがありました。その大きさは、卒業してから、だんだんに解ってきました。

◆CSPPは日本の心理臨床の世界では黒船的な存在だと思います。まだまだ日本でその名前が定着するのは時間がかかるかもしれませんが、CSPPで学ぶ人たちはみなさんそれぞれに社会人として素晴らしいものを持っています。3年間を通じて苦楽を共にした同期生たち、そして修了生とのネットワークが私の財産になっています。社会経験豊かな人たちが集まるCSPPは臨床心理だけでなく色んな事が学べる場所だと思います。

◆私の人生に、大きなショックと苦しみと希望、転換と目標を与えてくれたところです。

◆やはり、孤独や孤立から解放される大切な場ということです。私は、自体臨床心理に専念できているわけではなく、本業=看護に実践活動として取り入れてゆきたいと考えてきました。しかし、周辺からの理解や助力を得ることは難しく「邪道」とさえ解釈されることがありました。しかし、KAPs メンバーと交流することで勇気や元気を得てきました。そういう意味で、今後は主体的に参加・活動しなくてはならないと感じているのですが、時間と労力の限界もあるので、「細く長く」を心がけて行きたいです。

◆新しい人生と出会いを与えてくれたこところです。

◆I love CSPP。とにかく、いいところです。CSPP大好きです。

Q: CSPPの在校生、また、これからCSPPに入学しようかと考えている方に、メッセージをお願いします。

◆私もCSPP 入学前、在学中、修了後のどの段階でも不安だったり、情報や励ましが欲しかったものです。なかなか余裕がないことも理解できます。しかしまずは試しに、仲間としてこのような会に参加して交流しませんか?

◆多分、日本の学校ではできない経験と知識を与えてくれる貴重な学校です。

◆CSPP在学中はもとより卒業後も地元近くでCSPPの繋がりを持てることは、情報情報交換や勉強の場として役立つだけでなく 、心の支えにもなっています。関西以外のCSPP在・卒業生や、新たにCSPPに入学を予定されているかたたちも、ぜひ一度KAPsの勉強会などの集まりを覗いてみてくださいね。

◆大人になってから、勉強しようと思われたなら、CSPPは一押しです。むしろ、ある程度の社会経験を積まれた後でないと、CSPPの教育内容もその価値も十分に理解できないのではないかと思います。KAPsは、さらにCSPP修了後の交友の場になります。

◆CSPPの三年間は振り返ると、とても大変でしたが、非常に充実していました。卒業した時点は、それだけで十分達成感を味わいましたが、しばらくすると、これが出発点だとわかりました。CSPPで学んだことを、そのまま、日本の臨床心理の実践に移すことはむつかしいですが、日本の文化や歴史を考えながら、その融合を図りたいと考えています。