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2009年4月

 

オンラインクラスの新しい形


最近では、オンライン授業はますます盛んになっています。オンライン授業の良い点としては、授業を受けるのに教室まで行かなくてすむため、「大学の教室に行って数時間授業を受ける」ということが不可能である人の、不可能である理由(ハードル)のうちのいくつかを、取り外すことができる、という点です。たとえば子どもを生んだばかりで家をあけられないお母さん、障がいがあって大学の教室で授業を受けることが困難な人、病気で家を自由に出られない人、遠隔地に住んでいて大学まで通うのが難しい人、仕事などで時間の拘束がある人、などなど・・・。まさに、オンライン授業は、教育のバリア・フリーとも呼べるかもしれません。

アライアント国際大学では、オンライン授業という形態をいち早く導入し、ずっとBlackboardというポータルを使って来ました。私たちの日本プログラムでも、創設時の2002年から、ずっとBlackboardを使って、オンライン授業を展開してきました。

ですが 、CSPP EXPRESSの前号でご報告したように、アライアント国際大学全体として正式に2008年の秋学期から、BlackboardからMoodleというポータルへと移行になりました。

Blackboardでも、実にいろいろな可能性がありましたが、Moodleでも、さまざまな新しい試みが可能になりました。私たちの日本プログラムでは、Moodleを、通常の必須授業のほかに、ワークショップなどでも活用しています。また、「読んで書く」という活動以外の方法を探り、音声ファイルや画像、ビデオなどを、さまざまな形で活用することを試みています。

アライアント国際大学のアメリカの本校では、サイコロジストを初め、MFTのセラピスト、LCSWのソーシャルワーカなどのための、CE(*注)用のクラスの多くも、Moodleを使って行っています。

CE用のクラスでは、担当の教員が授業をしている様子をビデオで撮影し、受講者はそれを何度でも見ることができるようになっており、また、ウェブ・ディブリーフィングという時間を設け、オンラインクラスで失われがちな「同時性」を補い、同じ時間にインターネットにアクセスして、他の受講者と一緒に、担当教員に質問ができ、ディスカッションができるようになっています。

日本プログラム内のオンラインクラスを担当している教員の中には、アメリカ西海岸に住んでいる人もいて、時差があることもあり、なかなかこれまで「同時性」のある活動ができずに来ましたが、これからは、私たちのプログラムでも、少しずつそのような方法を取り入れてみることを考えています。

注:CEとは、ライセンス取得後に、定期的に受けなければならない授業単位のことを指します。ライセンスごとに受けなければならない単位数と期限は少しずつことなりますが、カリフォルニア州の認定サイコロジストの場合、毎2年ごとに36単位を取得することが必要です。

(西澤奈穂子)