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2008年3月

 

カリフォルニア州心理学会総会がカリフォルニア州アナハイム市にて開催


カリフォルニア州心理学会(California Psychological Association )の総会が、2008年4月3日~6日にカリフォルニア州アナハイム市のディズニーランドホテルで開催されます。毎年、アライアント国際大学米国校から多くの教授・学生が参加し発表を行っています。今年もアライアント国際大学総長のジェフリー・コックス博士 、新しくCSPP学長に就任されたモーガン・サモンズ博士 、アライアント国際大学の香港キャンパス学科長のアレックス・リュン博士 、そして今年アライアント国際大学の教務部副総長(Provost)として就任されたラス・ニューマン博士を初めとする教授陣多数が講義や発表を行います。 
 

優秀な修士論文に贈られる「本間玲子賞」設立


アライアント国際大学・カリフォルニア臨床心理大学院東京サテライトキャンパスでは、今年から「本間玲子賞(Dr. Reiko Homma-True Award)」を創設し、優れた修士論文を執筆した学生を表彰いたします。修士論文は3年間の修士課程の締めくくりであり、これからの臨床心理学に、これまで学んだ知識と臨床経験をどのようにして活かし、貢献していくべきかを文章として形に残すという大切な作業でもあります。それゆえに、修士論文に注がれる時間やエネルギーは多大なものであり、執筆作業に取り組む学生の方々の努力は大きく評価されるべきでしょう。 

受賞者は、2008年9月の学位授与式において表彰され、修了生の代表の1人として壇上でスピーチを行っていただきます。また、CSPPのHPにもインタビューが掲載されます。  

 

CSPP修了生インタビュー:臨床心理士の受験と合格体験談


石井久恵さん、大濱和美さん、大塚静子さん、そして角田みすずさんは、アライアント国際大学・カリフォルニア臨床心理大学院東京サテライトキャンパスの第一期生として2002年に入学され、3年間の修士課程と2年の臨床経験を経て2007年の臨床心理士資格認定協会試験を受験され、合格された5名のうちの4名です。今回は、学生アドバイザーで臨床心理士でもある向後善之先生を交えてお話をお伺いします。 

Q: 石井さん、大濱さん、大塚さん、角田さん、臨床心理士資格認定協会試験の合格、おめでとうございます。皆さんは2007年の臨床心理士資格認定協会試験を受けるにあたり、修士課程終了後にどのような場所で臨床経験を積まれたのですか?   

石井さん回答: 私は3年生の時に臨床実習でお世話になった、東京医科歯科大学難治疾患研究所の中村俊紀教授の下で、修了後も実務経験をさせて頂きました。

大濱さん回答: 臨床実習でお世話になった精神科医が開業しましたので、そのクリニックでインテーク面接、個人・グループセラピーなどを実践してきました。また同時に、民間のカウンセリングルームでも個人セラピーや講座などを担当しつつ実務経験を積んできました。  

大塚さん回答: 現在周愛利田クリニックというアルコール依存症治療がメインの病院(ギャンブル依存、その他患者さんもいらっしゃいます)で在学中に臨床実習(臨床実習)を行い、修士課程修了後セラピストとして採用となりました。勤務してもうかれこれ2年半がたとうとしています。仕事の内容としてはグループ運営、ソーシャルワーク、心理面接、心理テスト、ミーティングなどいろいろと行っています。また各関係機関と連携をとったり、患者さんのご家族と連絡をとりケースカンファレンスなどもやっております。最近ようやく慣れて、「家族とこども」という視点が大変興味深く感じながら仕事をしています。

角田さん回答: 臨床経験は、3つの領域で行いました。1つは、地域で個人開業をされているクリニックで、医師との連携の元、大人と子どもの心身症への個人面接や家族面接を中心に。2つめは、それまでの福祉領域における経験を活かして、発達障害のある方への療育指導と親面接、職員へのメンタルヘルスの臨床経験を積みました。3つめは、障がいのある方への就労支援に関する厚生労働省指定の養成研修行うNPO で、実務と研究を行いました。

Q: アライアント国際大学・カリフォルニア臨床心理大学院で学んだどのようなことが実際の臨床現場で役に立ちましたか?

石井さん回答: どの授業も実践に即したものだったので、単なる知識に終わるというものはありませんでした。その中でも、自分が追求したいテーマで、1年間オンライン授業を続けながら仕上げる修士論文と、年間400時間*の臨床現場での実習は、修了後、最も役に立ちました。私は元々は歯科医師で、歯科臨床の中で、いわゆる心身症、神経症の患者さんへの対応に、心理学的知識の必要性を感じてCSPP入学しましたが、実際に心理臨床の現場を経験することにより、歯科医療と心理臨床の違いを実感し、入学時に抱いていたイメージを、いい意味で覆すことが出来ました。もし400時間の臨床実習がなかったら、私は修了後に心理臨床の現場で研修を続け、歯科医師と平行して臨床心理士としての仕事を続けるには至らなかったと思います。実践に即したプログラムがCSPPの大きな特徴であり、だからこそ、すべての授業が修了後に臨床の現場で役に立つのだと感じています。 (注:現在の臨床実習時間数は320時間です)

大濱さん回答: 学んだことの全てが直接・間接に役立っていると思いますが、なかでも臨床面接特論で学んだサイコセラピー技法や、社会病理学の講義で学んだ現代の社会集団で生じているさまざまな心理学的問題とその対処法、事例検討を通じて学んだケースの考え方などが役立っています。さらに、臨床実習と毎週のスーパービジョンを通じて、統合的サイコセラピーのスキルを身につけることができ、臨床場面で活かせていると思います。

大塚さん回答: 今ひしひしと感じていることはアセスメントの授業です。実践ももとづいて授業が進められているので、今でも当時の資料をもとに心理テストのレポートなどを書いたりしています。

Q: 向後先生も米国の大学院で修士課程修了後、臨床心理士の資格を取得されてCSPPという教育現場だけでなく実際の臨床の場でも広くご活躍されておられますが、これからの日本においてどのような臨床心理の専門家が必要とされていると思われますか?

向後先生回答: さまざまなクライアントさんがいらっしゃいますから、そうした多様なクライアントさんに適切に対応できるように、クライアントさんの状況や個性に合せてカウンセリングの理論や技法を適用できるような引出しのたくさんあるカウンセラーが必要とされるのではないかと考えています。 時代は、刻々と変わっていきますし、それに従ってクライアントさんの傾向も変わってくると思いますので、カウンセラーの資質としては、そうした変化に対応できる柔軟さを持つことが要求されるように思います。それから、クライアントさんの世界を共感的に理解するための豊かな想像力が大切だと思います。

Q: また、向後先生は、CSPPの修了生だけでなく在校生も対象とした、臨床心理士資格認定試験のためのワークショップを去年開講されておられました。オンライン講座と対面式講座を併用されたとお伺いしておりますが、講座の内容などについてお話くださいますか?

向後先生回答: 臨床心理士資格認定試験の範囲は非常に広く、幅広い知識が必要になります。したがって、講座は、これまで学んできたことの総復習のような意味合いが強いと言えます。具体的には、主要な心理学・臨床心理学の概念を、講座に参加した学生に分担しまとめてきてもらって、輪講するといった形をとりました。みなさん、非常に熱心に取り組んでくれました。また、オンライン講座を併用したので、東京近郊に住んでいない学生とも、さかんに情報交換をしました。学生さんたちが、自主的に取り組んでくれたので、私の方は、言ってみれば、応援団長みたいな役割だったですね。実はCSPPの1期生には既に臨床心理士の資格を持って入学された方や、医師の方など既に試験の資格を持っておられる方もおられるので、2007年にCSPPの修了生として試験に合格した修了生5人を合わせると11人の修了生が臨床心理士として活躍していることになるので、大変嬉しく思っています。 

Q: 石井さん、大濱さん、角田さんは向後先生の臨床心理士資格認定試験のためのワークショップを受講されたそうですが、どういった点が一番参考になりましたか?

石井さん回答: 先生ご自身が臨床心理士試験を受験され、合格なさっているので、その経験談がとても参考になりました。1次試験では、過去問の勉強方法を指導していただき、先生ご自身が受験されたときにまとめた資料も頂きました。2次面接では、会場の雰囲気や、面接時の質問事項、受け答えなどをお聞きするこが出来たので、当日落ち着いて面接を受けることが出来ました。臨床心理士試験は範囲も広く1人で勉強していると不安が募ってしまいがちですが、同じ目標を持った仲間たちと、励ましあうこと出来たのも、大変大きな心の支えとなりました。向後先生がお会いするたびに「大丈夫、大丈夫!」と励まして下さったことで、最後まで諦めずに勉強していくことが出来たと思います。先生に見守られて、受験生一同が頑張れたのだと思います。

大濱さん回答: 私は地方での孤独な闘いだったので、オンラインを通じて励ましてくださる向後先生と、支えあう仲間の存在が何よりもありがたかったです。また知識だけでなく、向後先生の受験体験談や受験にかかわる様々な情報交換がとても役に立ちました。

角田さん回答: 平成19年度から臨床心理士試験の受験制度が変わりましたので、受験資格が得られるかどうかという不安をもっていました。これまで長い時間、学校をあげて先生方が受験資格の保証について努力してくださっていたのを知っていましたので、是非協力して乗りきりたいと思い、講座に応募しました。一番大きな収穫だったのは、同じ志を持つ仲間と月に一度会い、やっぱり資格を取りたいということを確認しあえたことです。オンラインは、距離を感じさせず、在学中と同じように自分のペースで課題の分担が保証されました。対面では、納得のいくまで情報交換でき、笑いのたえないリラックスできるよい時間でした。また、既に臨床心理士として活躍されている先輩が、TAとして実際的なアドバイスを下さるのもとても助かりました。自分の苦手分野もあきらめず学べたことにもつながりとてもよかったです。

Q: 向後先生、石井さん、大濱さん、大塚さん、角田さん、これからCSPPへの進学を考えておられる方々に何かメッセージをお願いいたします。 

向後先生回答:みなさまのオリジナリティを歓迎します。臨床心理学は、新しい学問ですし、常に進化していると言ってよいかと思います。学生と教員が自由にディスカッションできるところが、アライアント国際大学・カリフォルニア臨床心理大学院の大きな特徴ですから、どんどん自分のアイデアを提案してください。

石井さん回答: 日本の学校は「教育」が主体で、学生は受身であることが多いと思いますが、CSPPでは、自分が主体的に考えて「学ぶ」という経験ができます。3年間の修士課程を終了する頃には、自分で問題点を見出して、解決していく姿勢が身についていると思います。臨床心理の仕事をしたいという情熱を持った方の期待を裏切らない大学院です。どんどんトライしてほしいと思います。

大濱さん回答: CSPPには臨床経験を積まれた素晴らしい先生方が揃っておられ、学生の学びたい意欲に熱意を持って応えてくださいますから、在学中に自分は何を学び、身につけたいか、明確な目的意識を持って入学されると、より大きな成果を得ることができると思います。さらに、在学中から大学院の勉強だけにおさまらず、臨床心理に関する様々なワークショップなどに積極的に参加され、臨床家としての技量を高められることをお薦めします。

大塚さん回答: 私はCSPPに入って、修了し現在の病院で仕事をしている中で人間的に成長させてもらったという風に実感します。臨床の現場は本当に厳しい面もありますし、目の前にいる患者さんと向き合わなければならない面もあります。その点で大変厳しいと思いますが、別の面でみると、精神面でも、専門性でも伸びるチャンスだったりすることもあります。 そういったことを段々と積み重ねていけるところが私はこの領域に入って良かったという風に実感しています。そしてそのきっかけになったCSPPに感謝しています。ぜひチャレンジしてみてください。

角田さん回答: 常に新しい知見や方法を得られること、そして仲間から学べること、実践的であること、こんなに中身の濃い 3年間は他にはありません!是非、アライアント国際大学・カリフォルニア臨床心理大学院の仲間として一緒にやっていきましょう。

CSPP東京サテライトキャンパスの大きな特徴は、学生の多種多様性であるといえるでしょう。北は北海道、南は沖縄まで日本全国に学生が在住しているだけでなく、職業も、医師・看護師・教育者・自営業・一般企業・主婦など様々で、それぞれの学生が知識と経験をシェアできる学びの場でもあります。日本だけでなく、米国に6キャンパス、そしてメキシコ校と香港校にもCSPP修了生という「ファミリー」がいます。 皆で臨床心理学という分野に大きな貢献を残していきましょう!