ヒストリー
1960年代
1960年代、米国ではベトナム戦争で激動する社会情勢を背景に、帰還兵たちのメンタルヘルスの現場では多数の心理臨床の専門家が必要とされていました。当時の全米の高等教育機関では心理学の研究者育成が主となっていましたので治療者の数は決定的に不足していました。そこで1969年、医者や研究者ではなく治療現場で仕事が出来る心理学者を育てる目的で、カリフォルニア州心理学会の協力を得て創立されたのがCalifornia School of Professional Psychology(CSPP)でした。当初はロサンジェルスとサンフランシスコの2キャンパスで、250名の有志が無償で働き、10名に満たない有給のスタッフとで単科大学院を始動させたのでした。1970~90年代
1970年代のCSPP創成期には、あのカール・ロジャース(Carl Rogers)、実存主義心理学のヴィクター・フランクル(Viktor Frankl)やアブラハム・マズロー(Abraham Maslow)が教鞭をとり、家族療法を創造発展させてきたパイオニア達としては、機能不全家族を定義し卓越した臨床家だったヴァージニア・サティア(Virginia Satir)、経験的家族療法のカール・ウィテカー(Carl Whitaker)、原家族療法のジェームス・フラモ(James Framo)、戦略派家族療法のジェイ・ヘイリー(Jay Haley)、システミック家族療法のイワン・ボスゾルメニ - ナギイ(Ivan Boszormenyi-Nagy)らがCSPPの教壇に立ってきました。その後、CSPPはキャンパスを増やし、米国西部大学大学院協会(WASC)、さらに米国心理学会(APA)の認定を受けて、カリフォルニア州における正式な教育機関となりました。
CSPPは創立当初から臨床のプロフェショナル育成に主眼を置き、机上で学習した理論を臨床の場で応用すること、実際のクライアントに対応できる力を養うことが重要であるとの考えからカリキュラムも構築されています。設立以来、CSPPが博士号・修士号を授与した学生は6,000名以上にのぼります。カリフォルニア州の認定臨床心理学者の50%、臨床現場における研究の4分の1はCSPPの修了生及び関係者によって占められています。理論、実践的応用、研究(新しい知識の探索)の3点で構成されたCSPPのカリキュラムは、心理臨床家育成のモデルカリキュラムとして、米国中の多くの大学院に取り入れられるようになりました。
2000年~
2000年までには州内のキャンパスも増え、他の専門大学院と共にアライアント国際大学として総合高等教育機関となっていきました。日本では精神科医の斎藤学博士と米国の心理療法家の西尾和美博士の尽力により、サンフランシスコ・キャンパス所属の東京サテライト・キャンパスを2002年9月に新設。臨床心理学修士課程では「家族と子ども」に焦点をあて、実際に社会で起きている問題─児童虐待、発達の問題、不登校・ひきこもり、DV、PTSD、薬物依存、親子・夫婦関係など─において広い視野から実践できる臨床家の育成を目指しました。最近では職場のうつや高齢者の介護者に関わる心理的問題など、新たな分野も視野に入れています。また2007年には、香港に臨床心理学博士課程を開講し、現在アジアにおける臨床心理学教育とトレーニングの発展に力を注いでいます。

